ハイエースの歴史

投稿日:2022.03.01

トヨタのハイエースが誕生したのは、1967(昭和42)年2月のことです。その前身にあたる「トヨエース」の「エース(ACE)」の頭に「ハイ(HIGH)」を加え、トヨエースの小型版としてトラックが販売されたのが始まりでした。

この記事では、ハイエースの歴史に関して詳しく解説します。

累計販売600万台以上の大ベストセラー

ハイエースは1967年に誕生して以来、およそ50年で累計600万台以上を販売してきた、トヨタのロングセラーモデルです。また世界規模で見ると、現在も約150ヵ国で販売されており、国外からの知名度や人気の高さも特徴です。

また現行モデル(200系)は、先代(100系)からのフルモデルチェンジを経て11年が経過しました。現在も年間約18万台もの生産台数を維持しており、このうち、全体の約4割にあたる約8万台が日本国内で登録されています。

それぞれのモデルごとの特徴は以下の通りです。

10系の特徴とは

通称「10系」と呼ばれたハイエースの初代モデルは、当時トヨタが販売していた「トヨエース」というトラックを小型化したもので、人もたくさん乗れる上に荷物も余裕を持って搭載できる商用向けの車として開発されました。

発売された当初から、バンを中心に9人乗りのワゴンタイプや12~15人乗りのコミューター、トラックなど多様なタイプがあったことから、多様なシーンで活用できる車として認知されました。また丸形4灯のヘッドランプや当時の商用車としては珍しい曲面を多用したパネルが特徴でした。

当時から車内空間を広く取れるモノコックボディを採用し、前輪独立懸架を採用することで乗り心地と運転感覚を重視しており、発売されてから4年後の1971(昭和46)年には救急車のベースに採用されています。エンジンはコロナにも搭載されていた1.3Lガソリン仕様からスタートし、1.5L,1.6Lへと発展、救急車用の2.0Lに続いて昭和50年排出ガス規制に適合した1.8Lエンジンを搭載していました。

20系の特徴とは

1977(昭和52)年にフルモデルチェンジを経て誕生した2代目ハイエース「20系」は、先代の10系からバン・ワゴン・トラックの3種類のタイプを継承し、デザイン面ではヘッドランプが2灯になるといった変化がありました。

また20系が持っていた当時の先進的な特徴として、パワーウィンドウやエアコンなどのオプション装備、ディーゼルエンジンの搭載などが挙げられます。 もちろん運転時の操作性や機能性、居住性についても向上が図られています。

デザイン面でも妥協することなく、フロントマスクが歴代唯一のグリルレスになり、リアスタイルが垂直になりました。カラーには、当時にしては珍しいイエローが加わり、バン仕様にはハイルーフが採用されています。

ライバル車キャラバンとオイルショックの影響で20系はディーゼルエンジンを初めて設定しました。さらにスーパーカスタムなどの装備が充実しているワゴンが用意されるようになったのも、このモデルからでした。

50系の特徴とは

3代目にあたる「50系」は、バンとワゴンタイプが1982(昭和57)年、トラックタイプが1985(昭和60)年にそれぞれモデルチェンジが行われました。

もともと「小さめのトラック」という位置づけで販売されていたハイエースですが、「乗用車」としての仕様に力を入れるようになったのはこのモデルからです。そのためパワフルさだけでなく乗り心地や走行性にもこだわりを持つ車へと進化しました。

またRVブームを背景に、ワゴンタイプはフロントマスクのデザインがバンタイプと異なり、差別化が図られています。 ワゴンの一部グレードには電動リクライニングシートやサンルーフを設定、リアサスペンションにコイルスプリングを導入するなど、より快適な乗り心地、高級感を追求したつくりとなりました。

エンジンは「LASRE」と名つけられた新しく開発された2Lのガソリンエンジン3Y型に加え、2.2Lのディーゼルエンジンが搭載されていました。

またこの50系は南アフリカ共和国では2007年までエンジンを変えて生産されていました。

100系の特徴とは

1989(平成元)年に登場したハイエース「100系」は、先代の50系のスクエアスタイルを継承しつつも、丸みを帯びたデザインが特徴のモデルです。

Bピラー周辺の滑らかな台形ラインや、フラッシュサーフェス化されたサイドウィンドー、やや張り出したスラントノーズは、高級ワンボックス車のようなデザインで、その時代を反映した見た目となっています。その当時のカタログには「トヨタの、もう一つの最高級車」と書かれていました。

機能面ではバブルの真っただ中にデビューしたこともあり、ワゴンは電動スライドドアやパワーイージーアクセスシステム、スーパースライドシート、トリプルムーンルーフといった、当時としては豪華な先進的な機能も追加されています。また、1996年のワゴンのマイナーチェンジでは、運転席、助手席エアバック、ABSなどの機能が標準装備になりました。

さらにシートやトリム類の品質も向上し、それまで業務用のイメージが強かったハイエースのイメージも改善が図られました。

ほかにもドライバーと最後部席での会話が容易にできる「ジョイフルトークシステム」も、当時から荷室が広かったハイエースならではの装備です。

エンジンは2Lガソリンエンジンに従来の3Yエンジンから新しく開発された1RZ-E型エンジンを搭載、2000年には2.4Lガソリンエンジンの2RZ-E型を追加、ごく短い期間ですが、2003年には1TR型エンジンも投入されていました。ディーゼルエンジンでは、2.4Lエンジンの2L型、2.8Lエンジンの3L,そして3Lの3Lエンジン、5Lエンジンがなどが搭載されました。

モデル末期の2002年10月には自動車Nox・PM法に適合しない為、全てのディーゼル車がある一定の地域内では購入できない時期もありました。

200系の特徴とは

現行の5代目ハイエース「200系」は2004(平成16)年8月に誕生しました。見た目もプレーンながら力強いデザインに変更されており、モデルチェンジ直後の年式でも高い人気があります。

運転席周辺には、乗用車に広く普及した「ゲート式AT」が採用されており、車内空間のゆとりを増すインパネシフトを取り入れることで、快適な乗り心地を実現しています。

またアウトドアや趣味の時間を楽しむ個人ユーザーのニーズにもマッチするように改良され、一般ユーザーにも受け入れやすい車種へと改良されました。

200系全てのモデルに共通する特徴として、ユーティリティーの高さや高品質な装備、安全性の高さが挙げられます。多くの荷物を積み込める広い室内空間は、仕事やプライベートを問わずあらゆるシーンで活躍します。

200系1型の特徴とは

ハイエース200系1型は、2004(平成16)年8月に15年ぶりとなるフルモデルチェンジをした初代のモデルです。前モデルの100系の標準は廃止され、ボディの長さが「ロング」「スーパーロング」の2種類になりました。

◆販売時期:2004年8月〜2007年7月
◆主な仕様
・2.5ℓ(2KD-FTV)ディーゼルターボエンジン搭載と2.7ℓガソリンエンジンを追加

2005年11月の一部改良では、ハイマウントストップランプや助手席リクライニングシートが標準装備されました。

200系2型の特徴とは

ハイエース200系2型は、2007(平成19)年8月のマイナーチェンジを経て誕生しました。デザインや一部の機能が改良され、中でも特筆すべき点として、エンジンがそれまでの2.5Lから3Lへと変わったことが挙げられます。

◆販売時期:2007年8月~2010年7月
◆主な仕様
・3ℓ(1KD-FTV)ディーゼルターボエンジン搭載
・コモンレール式燃料噴射システム/可変ノズル式ターボチャージャー搭載による低速域の実現
・グレードにパッケージオプション『GLパッケージ』が追加
・アルミホイールが全車対象オプション
・全車フロントグリルとバンパーのデザイン変更

排ガスの後処理装置であるDPRシステムの採用により「平成17年(新長期)排出ガス規制」に適合する車両となりました。

200系3型の特徴とは

ハイエース200系の3型は主に前期と後期モデルに分かれます。3型では、車の外観を特徴づける大きなポイントであるヘッドライトの形状が変更されました。

このため、前のモデルと比べて見分けがつきやすくなっています。なおそれぞれの概要は以下の通りです。

【前期】
◆販売時期:2010年8月~2012年4月
◆主な仕様
・1KDディーゼルエンジンを改良
・電子制御式可変油圧システムなどを標準装備

【後期】
◆販売時期:2012年5月~2013年11月
◆主な仕様
・ディーゼルエンジン車の排出ガス識別記号を変更
・バン特別仕様車「スーパーGL”PRIMESELECTION”」を追加
・カラーにボルドーマイカメタリックが追加

200系4型の特徴とは

ハイエース200系4型ではより操作性が向上するマイナーチェンジが図られました。特にハンドル周りのデザインが一新され、新たにシルバーのパネルが追加されています。

また、上位グレードではスイッチ類も装備されており、一部のグレードでは、車を特徴づけるテールランプの形状も変更されています。主な概要は以下の通りです。

◆販売時期:2013年12月~2017年10月
◆主な仕様
・グレード:スーパーGL、ワゴンGL、スーパーGL”DARKPRIME”
・全車オプション設定でLEDヘッドランプ、ガラスアンテナ、バックドアイージークローザー採用
・全車にリヤルームランプ1個追加
・緊急ブレーキシグナルを標準装備
・オートエアコン、センタークラスターパネル、フロントバンパー、グリル周り、ヘッドランプを変更

200系5型の特徴とは

200系5型は、安全面などの機能がさらに進化しました。Toyota Safety Senseとはトヨタが提供する自動ブレーキシステムで、2つのセンサーによって信頼性の高さが特徴です。

またディーゼルエンジンのモデルが3.0Lから2.8Lエンジンへ変わったのも大きな特徴です。これにより排気量はやや小さくなったものの、馬力と走行性能は、双方ともにアップしました。その他、200系5型の主な概要は以下の通りです。

◆販売時期:2017年11月~2020年4月
◆主な仕様 ・衝突安全装置『Toyota Safety SenseP』が標準装備
・ディーゼルエンジンがGDに変更
・ディーゼル車(バン・コミューター)には2800cc1GD-FTV型エンジン
・バンDXスーパーロング4WDにディーゼルエンジンが復活
・全車オートアラーム
トランスミッションが4ATから6ATに変更

200系6型の特徴とは

現行型となる200系6型は5型をベースにさらに改良が図られたモデルです。前のモデルと比べると細かな装備が変更され、より使い勝手が向上しています。概要は以下の通りとなります。

◆販売時期:2020年5月~現在
◆主な仕様
・法規対応、安全装備の充実だけでなく、デザインも変更
・VSC&TRC ・マルチインフォメーションディスプレイ
・ミリ波レーダーがグリルの奥に収納可能
・サイドミラーが少し角ばったデザインに変更
・ドアミラーを大型化
・ハイマウントストラップランプがガラスの箇所に移動

まとめ

 

①ハイエースはそれまでにない新しい商用車として1967(昭和42)年に誕生
②発売以降、50年間で世界で累計600万台以上販売された
③1971(昭和46)年には救急車のベースに採用されている
④数回のモデルチェンジを経て、現行のハイエースは5代目の「200系」にあたる
⑤「200系」は1~6型が存在する
⑥どのモデルも査定をするならハイエース専門店への問い合わせがおすすめ

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